検査・証明等の要否について

増資・新株発行の場合も、金銭に代えて現物の出資をすることも可能とされています。

債権の出資もこれに該当します。

現物出資をするときは、やはり、原則として裁判所選任の検査役の検査を受ける必要があります。

もっとも、この検査役の検査は時間も費用もかかり、常にこれを求めるのも現実的でないことから、一定の例外が認められています。

検査が不要な場合

以下の場合は、検査役の検査は必要ないこととされています。

① 引受人に割り当てる株式の総数が、発行済株式総数の10分の1を超
 えない場合

現物出資者が複数の場合も、全ての出資者に割り当てる株式の合計数で計算します。

② 現物出資の目的財産につき募集事項決定の際に定められた価額の総額
 が500万円を超えない場合

③ 当該財産が市場価格のある有価証券であって、募集事項で定めた価額
 がその市場価格を超えない、場合

④ 現物出資財産について定款に記載された価額が相当であることについ
 て、弁護士、公認会計士、税理士等の証明を受けた場合

⑤ 会社に対する弁済期到来済みの金銭債権で、募集事項で定められた額
 が、会社における負債の帳簿価額以下である場合

証明書類について

上記①の方法による場合、引受人に割り当てる株式の総数が発行済み株式総数の10分の1を超えないことは登記簿から明らかとなるため、特段の証明書類の添付は必要ありません。

②の方法による場合も、定款に記載された価額の総額が500万円を超えないことは申請書類から明らかとなるため、特段の証明書類の添付は必要ありません。

これに対し、③の方法によった場合は、登記申請の際に、市場価格を証する書面を添付する必要があります。

具体的には、新聞や証券取引所の発行する証券取引所日報等が必要となります。

④の方法によった場合は、税理士等の証明書等が必要となります。

⑤の方法による場合は、当該金銭債権について記載された会計帳簿が必要となります。