本店移転の手続
同一市町村内での移転の場合
会社(本店)の所在場所を移転する場合、本店の所在場所も登記事項であるため、変更登記の手続が必要となります。
そして、本店所在地は定款の記載事項ではありますが、定款には番地等まで具体的に記載する必要はなく、市区町村まで記載すれば足りるものとされています。
例えば、「茨城県水戸市に置く」「茨城県つくば市に置く」などです。
実際、このように市区町村までを記載した会社が大部分と思われます。
このように、定款には市区町村までを記載してある会社が、同市区町村内で本店を移転する場合には、定款の変更手続は必要ありません。
この場合、取締役会決議又は取締役の過半数の一致により、移転先を決定することとなります。
これに対し、定款で番地等まで具体的に記載している場合、定款変更のための株主総会決議が必要となります。
他の市町村への移転の場合
他方、他の市町村への移転、例えば、水戸市からつくば市へ移転する場合、定款の変更が必要となります。
例えば、本店所在地につき、「茨城県水戸市に置く」から「茨城県つくば市に置く」に変更することとなります。
決議は、原則として議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数により行う必要があります。
その上で、取締役会決議又は取締役の過半数の一致により、移転先を決定することとなります。
なお、茨城県から他の都道府県へ移転しようとする場合、管轄外への移転となるため、手続が異なってきます。
→管轄外への移転
登記手続
登記申請書記載例
1.商号 ○○株式会社(会社法人等番号・・・・・)
1.本店 茨城県つくば市○○△丁目□番◇号
1.登記の事由 本店移転
1.登記すべき事項
平成○年○月○日本店移転
本店 茨城県つくば市◇◇○丁目△番□号
1.登録免許税 金30,000円
1.添付書類
株主総会議事録(定款変更が必要な場合) 1通
株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト。定款変更が必要な場合) 1通
取締役会議事録又は取締役決定書 1通